第10回ミニ企画展大石林山写真展 「不思議な土地の動きが造った森の美ー樹木」
2024年2月27日~4月25日
大石林山本館1階ロビーにて、観覧無料
大石林山は、沖縄島の成り立ちを教えてくれる地層からできています。
さらに大地の動きに伴い様々な生きものや樹木や草本が見られるところでもあります。
今回は、大石林山の「岩と石」、「生きものたち」に続く第3弾として「樹木」を開催することにしました。
山の地層は石灰岩からなりますので、現存植生は石灰岩地域特有のナガミボチョウジ・クスノハカエデ群落です。
森には、代表的なクスノハカエデ、シマタゴ、カジノキ、クスノハガシワなどを含め50種以上が確認されています。
(職員の又吉・山城両氏の調査、2011年)
展示風景
さらに森の中には沖縄では珍しい紅葉するハマセンダンやハゼノキ、落葉するシマタゴがあり、老化すると幹が真っ黒に変化する不思議なトキワガキなども見られます。
また吹き付ける季節風に逆らい持ち場を確保するように岩場に拡がるソテツ群落は、箱庭的な森の光景を一層印象づけるものです。
展示台の左は、珍しいソテツの縦断面、右は木の化石
植物学者によると「イネガヤ、リュウキュウキンモウワラビなどのように沖縄では本地域だけに生育する種や、ビロウドシダ、タイワンツクバネウツギ、イワヒバなど植物分類地理学上貴重な種も見られる」(沖縄大百科事典、下の423頁、沖縄タイムス社、1983年)と、注目された絶滅危惧種(危機に瀕しているもの)および危急種(危機が増大しているもの)を育む森でもあります。
貴重種は、後世に引き継ぐためにも大事に保存保護することは私達の役目でもあります。
今後とも森を守るためにご指導・ご支援を賜りたいと思います。
なお、企画展開催期間中の毎土曜日先着10名の児童生徒にブラジル産の珪化木(木の化石)をさしあげます。
毎週土曜日、先着児童生徒10名へ木の化石をプレゼントします
(博物館名誉館長 大城逸朗)