2021年ユネスコ世界自然遺産登録
2021年7月26日、世界遺産の登録を審査する国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の登録を決定しました。
登録区域は、沖縄島北部7721ヘクタール、西表島2万822ヘクタール、奄美大島1万1640ヘクタール、徳之島2515ヘクタール。 登録区域の総面積は4万2698ヘクタールに及びます。
この4島は、新生代の第三紀(約2,300万年から170万年前)以降の激しい地殻変動により、大陸や日本本土と陸続きになったり離れたりを繰り返してきました。その時々に様々な生き物たちが渡り、やがて島々に閉じ込められた生き物たちは、何万年もの長い年月をかけ、島ごとに固有の種へと進化していきました。多様で固有性の高い生態系を有することと絶滅危惧種の生息地として世界的に重要であることが評価され、世界自然遺産リストへの登録となりました。
4島には、国の特別天然記念物のアマミノクロウサギ(奄美大島・徳之島)、ヤンバルクイナ(沖縄本島北部)、イリオモテヤマネコ(西表島)などが生息しており、登録区内に棲息する希少種としては、絶滅危惧種が95種、固有種は75種にもなります。
・世界自然遺産とは
人類共通の財産として保護し、後世に伝えていくためのユネスコ世界遺産リストの1項目で、自然美、地形・地質、生態系、生物多様性のいずれかを満たすことが自然遺産の評価基準となります。これらに「顕著な普遍的価値」を有すると認められた地域が世界自然遺産として登録されます。顕著な普遍的価値を長期的に維持できるように、十分な保護活動が行われることも重要な条件です。
・やんばるの自然について 「やんばる国立公園」
希少な生きものを守るために
~ストップ!ロードキル~
やんばる地域には、国の天然記念物に指定されているヤンバルクイナやケナガネズミ、両生類、爬虫類など様々な生きものが生息していますが、近年ロードキル(交通事故などにより道路で野生生物が死亡すること)が大きな問題となっています。 ロードキル防止キャンペーンやアンダーパス(道路下の野生動物の通り道)の設置、道路脇排水溝の構造改良、クイナフェンスの設置、「STOP Rood kill」「生きもの飛び出し注意」の看板設置など現在もさまざまな取り組みがなされています。 小さな生きもの達が急に飛び出てくるかもしません。夜間にも道路を横断している生きものたちがいるかもしれません。生きものたちを守るため、自然を壊さないために。やんばるでは特に周囲に注意を払って運転することが大切です。やんばるにお越しの際は、ご協力よろしくお願いいたします。
大石林山の博物館では、「やんばる野生生物保護センター ウフギー自然館」の "ストップロードキル マグネット" を3種類販売しています。
このマグネット売上の一部はロードキル防止の支援にも役立てられています。
大石林山の取り組み
大石林山では、地学、動物、植物の各分野専門家による継続的な調査ならびに自然環境の保全に取り組んでいます。
また、専門ガイドによるガイドツアーでは「やんばる」の自然の価値を伝え、自然環境保全への関心や理解を高められるよう努めています。
かけがえのない「やんばる」の自然を守り将来の世代に引き継いでいくために、大石林山も自然の保護と適正な利用増進に努めてまいります。